分かりやすい作業手順書を作成するために覚えておきたいポイント
2018年04月06日 13時33分
そこで続いては、「分かりやすい作業手順書を作成するために覚えておきたいポイント」についていくつかご紹介します。
《作業の目的を必ず明記する》
作業名や作業の内容、作業に携わる作業員の人数、作業に必要になる機械や材料、作業担当範囲、トラブル発生時の対応や連絡体制など、作業に関連する共通事項を分かりやすく記載します。
ここで重要なポイントになるのが、「作業の目的を必ず明記する」ということです。この項目の内容が明記されていないと、万が一トラブルが起きたときに現場では対処できないといった恐れがあります。また、理解の不一致により手順書とは違った動きをしてしまった場合にも、どのように行動したら良いか判断できずに作業が中断してしまうといった問題が生じてしまうため注意が必要です。
そのため、作業名や作業内容などの共通事項には、その“作業の目的“を分かりやすく明記することで作業員同士の目的のズレや、作業品質のバラつきなどをなくすことが大切なポイントになります。
《作業ごとに分けて作業手順書を作成する》
一つの工事現場内でさまざまな作業が行われているため、「作業ごとに分けて作業手順書を作成」したほうが作業者全員の理解度をより深めることができます。
例えば、工事現場でよく行われている作業に「足場の組立や解体」という作業があります。作業員が高い箇所で作業を行うようなときに必要になる足場は、第一に“足場の組立作業”を行い、その後足場を使用しての作業が完了したら、最終的には“足場の解体作業”を行います。同じ足場に関連した作業とはいえ、組立と解体の作業をそれぞれ分けて作業手順や作業方法などを記載したほうが内容を確認した人が理解しやすくなります。
《色や図を使うことで作業内容の重要性を伝える》
工事に関わる作業手順書をそれぞれの作業ごとに分けて作成するようになるため、作業手順書内でとくに重要な箇所に関しては、「色や図を使うことで作業内容の重要性を伝える」ことをおすすめします。
使用する機械や部品など、文字だけでは伝えにくいことは図を使ったほうが説明しやすくなりますし、作業手順書を読んでいる作業員にとってもイメージがしやすくなるためおすすめです。
また、人手による作業の場合は、少なからずミスが発生してしまうことも事前によく理解しておく必要があります。人的なミスが発生するリスクを事前に把握しておくことはもちろん、実際の作業をよりイメージしながらミスが起こりにくい手順書になるように工夫を取り入れた作成することも重要です。
《手順書の書き方のルールを決めておく》
作業の種類が多ければ多いほど、作業手順書の数は増えていきます。そのため、これから何枚も作業手順書を書く機会があるといったときには、「手順書の書き方のルールを決めておく」と作成に時間や手間をかけずに済みます。
例えば、作業手順書に記載する共通の項目に関しては、記載する順番を決めておいたほうが良いですし、書き方を統一するためにもあらかじめ決まった表があると便利です。
また、一度作成した作業手順書に関しては、今後も使用する可能性を踏まえて「テンプレート化」しておくと便利です。一から作業手順書を作り始めるのは難しいと思われる方は、すでに作成されている作業手順書の雛形をダウンロードして使用されるのもおすすめです。
《現場の状況に沿った内容で書かれていることが大事》
“せっかく作成した作業手順書が実際の現場では使用されていない”といったことが度々ありますが、これは実際の現場で行われている作業と手順書の内容に大きなズレが生じていることが原因の一つでもあります。
実際に現場で行われる作業の流れや、ある特定の作業に関して詳しくない場合は、作業手順書を作成しても現場の作業員の多くがその作業手順を“非効率“だと感じていれば意味がないためです。
そのため、作業手順書の内容に沿って快適に作業を進めてもらうためにも、手順書を作成される方は現場の状況をよく理解している経験豊富な作業員に協力を仰ぐのも一つです。
また、作業手順書の内容をより良いものにするためにも、作業を終えたあとに「フィードバック」の時間を設けて、細かい点を改善し、最も良い作業手順になるように改良を行うことが大切です。